
酸性の熱水溶液、酸性の温泉あるいは硫気ガスが地下から岩石の割れ目に沿って上昇し、あるいは岩石にしみとおると比較的短時間の内に激しく岩石に作用して、おもにSiO2 ,TiO2,Al2O3 を残して他をほとんど溶かし去る。残ったSiO2 ,Al2O3は、おもに上昇溶液中に水分と結合して含水珪酸塩鉱物となる。
岩石の分解がさらに進むと SiO2 と Al2O3 が分離し、Al2O3 は水と結合し、ダイアスポア・ジプサイトとなり、SiO2 は水と結合してたんぱく石となりあるいは単独で石英・クリストバライトとなる。温度が高いとアルミナ(Al2O3)は水と結合せず、コランダムとなる。TiO2はこのような作用を通じて安定で金紅石、鋭錐石として残る。Feの一部は、しばし水酸化鉄・酸化鉄として残り、溶液中のS分と結合し硫化鉱となり、有害な成分として粘土を汚染する。
溶液中に多量のSO4が存在すると、Al2O3・H2Oと結合して、みょうばん石を生ずる。このようにして溶液やガスの通路やたまりに沿って鉱床を生ずる。カオリン鉱物は比較的低温でも生成されるが、パイロフィライト・ダイアスポアなどは比較的高温で生じたものである。
この型に属する主なものには、ろう石・陶石の大部分と大峠白土・関白カオリン・奥津カオリン・対州カオリン・朝鮮カオリンなどがある。この種の粘土はしばしば原岩の構造が細かな点まで残っている。これは生成時に容積変化が起こらなかったものと思われる。
原岩中火山岩のガラス質の部分が一番分解しやすく長石はこれに次いで分解しやすい。石英は最も分解しにくい。カオリン化作用を完全に受けたものでも、原岩の種類によりカオリン鉱物の粘度や配列の状態が異なってくる。これらの原岩はほとんど花崗岩・石英粗面岩などである。
関白カオリンは石英粗面岩を交代して出来た脈状粘土である。脈はほとんどカオリナイトからできているが、脈から遠ざかるに従って石英の残量が増え、ついに原岩に移化する。
対州カオリンは石英はん岩を原岩とするもので石英および部分的に未分解の長石を残し、原岩の構造を保っている。
この熱水鉱床のカオリン質粘土は、堆積粘土に比べると粒度がふぞろいであらい。